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第二は、外国市場において、価絡設定と販売をコントロールすることの重要性である。
輸出されたボトルが港に積み上げられたままという状況に接して、貴重なブランド口聞のコントロールを失ったことに気づくのに時間はかからなかった。
だから、彼らは、新しいブランドを手に入れたときには、必ずその販売会社をも傘下に収めた。
一九八六年から九一年にかけて、G社は、世界中で七OOの販売会社を獲得または移し替えている。
第三は、彼らは競争相手と組むことにもためらったりはしない。
K杜のような巨大な資金力がなく、新市場へ浸透するための販売網、資産を持たない彼らは、ジョイント・ベンチャー(JV)をつくる。
そのパートナーになれば、固定費を分担し、後に利益を分けK社は三五を超えるJVを持っている。
南米でG製品を販売するP社とのJV。
また、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・へネシー)とのJVの二五%を保有する。
多くの貴重な最高級のブランドを持っている。
アルコールの有無にかかわらず、欽料製品は非常に利益の上がる事業である。
G社は、世界で一番儲かっているアルコール飲料の会社であるだけでなく、K社に次いで世界第二位の利益を上げている非アルコール飲料の会社である。
売上利益率は、一九八六年にYを買収したときから着実に上昇してきた。
買収前のG杜はビール一本で、A杜と大差ない利益率だった。
利益率の高い洋酒事業を傘下に入れたおかげで、二倍儲かる体質になったと言えよう。
借り入れのほうは、G社の責任だった。
一九八六年の買収後の長期債務は、資本勘定の四八%を占めていた。
以後、積極的に返済を進めた。
一九八八年には一八%に低下、一九九二年には再び二九%まで上がったが、それでもS社やA杜に比べると低率である。
債務を低く抑えることに成功したばかりでなく、G杜は過去七年の問、二O%を超える純利益の伸びを記録している。
Y買収以来、同社は毎年、競争相手を上回る利益の伸びを記録している。
しかし、この期聞の売上げは、平均して九%を下回る伸びにとどまっている。
したがって、利益成長の大きな部分は、利益率の改善によるものだったということがわかる。
一九九二年、利益の伸ぴは六%に低下した。
これはリストラのコストの引き落とし前の数字である。
この低下は、世界的不況の影響によるものだった。
とくに、同社が二五%の株式を持つLVMHの不振が大きかった。
しかし、不況にもかかわらず、特級ブランド品を値上げするので、LVMHは翌年以降は利益を増やすことができると予想している。
飲料事業の魅力の一つ、これは洋酒やピールでも同じだが、事業によって得られる、キャッシュフローに比べて資本支出と運転資金が比較的少なくてすむことである。
研究開発費はたいして必要としないし、売上げ比で見ると生産費も比較的少ない。
だから、株主資本利益率は高く、しかもG社を含めて、成功している企業では増益の傾向にある。
K杜と同様に、同社は、非常に大きな経済的グのれんH を持つだけでなく、その価値をますます高めていると言える。
一九九一年、Pは二億六四七八万二000ドル、三一二四万七OOO株のG株を買った0 ポンド買いのレートは公表されていないが、一二月の移動平均から見ると、約一・七六ドルが一ポンド程度だから、逆に言えば、一ドルが五六ペンスということだ。
だから、PのG株買いの価格は、一株当たり約八・四七ドル(四・八一ポンド)であった。
ちなみにG社の総発行済株式数は、一九九一年で一九億五二OO万株だった。
Pが株を買うときには、会社全体を買うという視点から考える。
わずか一・六%の買いであっても、理論的には、その近辺の価格で会社全体を買いたいと考えていたと思われるのである。
一九九一年、彼は四・八一ポンドでG株を買った。
全体で一九億五二OO万株の発行済株式数だから、彼の買いは、九三億八九OO万ポンドの買い物と同じだったわけだ。
一九九一年、G社の純益は六億三六OO万ポンド、有形・無形資産の償却費が一億二二OO万ポンド、資本支出が二億二四OO万ポンドだった。
そこで、オーナー収益は五億三四OO万ポンドになる。
三O年物国債の平均利回りは、一九九一年には八・五%だった。
ただPは、金利が低下傾向にあるときは、国債利回りを使うについて、控えめに考える傾向がある。
これは、すでに承知しているところだ。
そこで、ここでは控えめに九%をとることにする。
G杜のオーナー収益を九%で還元すると、同社の価値は五九億三三OO万ポンドになる(五億三四OO万ポンドを九%で除す)。
しかしK社やJ社と同様に、G社の価値の多くは現在の利益だけの還元値ではなくて、現在の利益に将来の利益の成長をも加えたものをもとにした数字であるべきだろう。
一九八六年のY買収後、G社の利益は年率平均二五%伸びた。
しかし、一九九0−九一年の聞は平凡な二二%という水準に落ちて、その後、それ以下に落ちた。
Pが一九九一年にG株買いを決めたとき、彼は利益の成長が二五%より鈍ってきて、将来はもっと現実的な一0−一五%の水準に落ち着くと考えていた。
二段階の還元モデルを使って、われわれはG社の価値を計算することができる。
利益成長が以後一0年間少々落ちて一O%、その後五%とすれば、九%で還元すると、価値は二O九億八三OO万ポンドになる。
この推定値をとっても、Pは、五六%も下値で買ったことになる。
仮りに、最初の数年間が五%という低い成長率になるとすると、一九九一年の同社の価値は二二三億五OOO万ポンド(五億三四OO万ポンドを九%マイナス五%で除す)。
この従来の平均成長率よりも低い率で計算した場合でも、その価値の数字に比べて、Pは三O%安値で買ったことになる。
数年前にPは、外国株には関心がない、と言っていた。
オーナーとしてどう動いてよいかわからない、というのがその理由だった。
会社と外国人株主との間の連絡が、同一国内の株主との聞のようにはいかない。
ところが、G社で彼は例外をつくった。
もちろん、同社がP最大の保有株のK社と似た事業内容であるということが、彼にとっての助けになっていた。
K杜の事業の進め方を知っていて、世界経済のなかで、いかに利益を得ているかということに通じている。
だから、G社がどうすれば目標を達成できるかを読むのは、それほど難しくはないだろう。
さらに彼が学んだことは、K、J、Gのように、貴重な独特の商品を持つ企業が対象の場合は、それほど厳密に管理しなくても、平均を超える投資成果を上げられるということだった。
G杜のような企業の株主には、企業と密接な関係を持つことは、それほど重要ではないということになる。
とにかくPにとって、G社ほど経済的な魅力を持たない外国企業の株主になるよりは、安心だったとは言えるだろう。
Z社がPにとって、最も複雑でわかりにくい投資だったとすれば、W(W銀行)は、さしずめ最も問題含みの投資ということになろう。
一九九O年一O月、彼は、Pが平均五七・八八ドルで、二億八九OO万ドル投資し、W株を五OO万株買ったと公表した。
Pは今や、発行済株式数の一O%を持つ筆頭株主となった。
この年の初め頃、株価は最高八六ドルまであった。
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